しきたりだらけ!魔女の宅急便の世界の『魔女』とは?
魔女宅こと「魔女の宅急便」は、1989年にスタジオジブリが制作した劇場アニメです。
TVでも何度も放送されたので、皆さんも見た事あるのではないでしょうか。
最近では実写映画にもなって話題になりましたね。
さて、その「魔女の宅急便」ですが、初めて見た人はいくつか疑問に思う事があるようで、ネットでもそれらの謎についての質問を多く見かけます。
意外と深い「魔女の宅急便」の話について、考察したいと思います。
■女の子は必ず魔女になる?
キキは魔女です。
キキのお母さんも魔女です。でも、お父さんは普通の人間です。
魔女には色々としきたりがあるようです。
まず、魔女の家では、女の子が生まれたら同じ時期に生まれた黒猫のオスを探して一緒に育てるのがしきたりです。
なぜ黒猫と一緒に育てるのか、その理由は分かりませんが、ひとつだけ間違いなく分かる事は、「女の子が生まれたら魔女として育てる」という事です。
では男の子は、魔法使いにはなれないのでしょうか?
この世界での「魔女」と「魔法使い」は別の意味を持っているような気がします。
■魔女になるための修行
さて、そうして生まれた女の子キキは、13才の春の満月の夜に修行に出ます。これもしきたりです。
1年間、魔法で生計を立てて暮らすことが出来たら合格で、実家に帰れるようになります。
このしきたりですが、まずはこの世界が「魔女が居るのは普通」とみんなが思っている事が基本のような気がします。
普通であれば、「魔女」である事を隠して生きていたりするのではないかな?と思うのですが、「魔法で生計を立てる」という時点で、かなりオープンです。
実際、キキも「魔女の宅急便」という名前で看板を出します。
この修行は、「魔女の住んでいない町」でやるのがしきたりなのですが、それって「魔女普及活動」みたいですよね?
魔女のいない、魔女を知らない人達の所で魔法を使って魔女として生計を立てるのですから、みんなに魔女を知って貰おうという普及活動みたいですよね。
■キキとジジ
キキが赤ちゃんの頃から一緒に育てられた黒猫のジジ。
彼はキキと会話をする事が出来ます。しかし本作中、途中でジジは言葉が話せなくなります。
なぜジジは言葉が話せなくなったのか?
実は、ジジが話せなくなったのではなくて、キキが魔力を失ったからなのです。
キキとジジの関係ですが、兄弟みたいなものですよね。
ジジが話す内容は、実はキキの心の声なのです。
魔女の修行をする事で、子供から大人に変わる。
キキは初めての独立で、ホームシックになったり色んな体験をしたりして、自信を失います。
自信を失ったキキは、空も飛べなくなってしまいます。
つまり魔力を失って、ジジの言葉が分からなくなってしまったのですね。
■キキとトンボ
もうひとつの考えとしては、修行して一人前の魔女になる上で色んな人と知り合い、友人も出来て人間として成長します。
するともう「自分の声」は聞かなくても良くなるし、ジジ以外の相談相手も出来て、シジと話せなくてもよくなるのです。
実際、物語のラストの方で、魔力は戻って空を飛べるようなりますが、ジジとは相変わらず話が出来ないままです。
そしてトンボとの関係。
この作品のキーとなる「トンボを助けたいという願いが、魔力を甦らせるきっかけになりました。
でもこの時点のキキは、トンボに対して友情はあっても愛情は無いようですね。
トンボの方は、キキに恋しているようですが・・・
つまり、恋愛と魔力は関係ないようですね。
■おわりに
「魔女の宅急便」を見て、なんでだろう?と少しモヤモヤとしていたあなた!
少しは解決に役立ちましたか?
独特の不思議な世界観を持つ作品ですから、何度か見てその世界に慣れるしかなさそうですね
ちなみに、この時点のキキは「空を飛ぶ魔法」しか使えないようです。
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