アムロ・レイが子持ちの予定だった?「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の5つの面白トリビア
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」は、ガンダムシリーズにおいて初めて完全新作の劇場版です。そして宇宙世紀において脈々と続いたアムロとシャアの関係に終止符が打たれる作品です。
ガンダムシリーズの一つの転換点である逆襲のシャアのトリビアをいくつかご紹介します。
■延び延びになったシャアの逆襲
タイトルの副題になっている逆襲のシャアですが、本来ならZガンダムの時のタイトルになる筈でした。つまり、シャアは中々逆襲できなかったことになります。
ちなみに逆襲のシャア版のZガンダムは漫画化されており、カミーユがジオン兵士になっています。
■富野監督がおネェ言葉で大激怒!
この作品には、後にエヴァンゲリオンを作る庵野秀明さんがメカデザイナーとして参加しています。庵野さんはシャア陣営の戦艦のデザインを手掛けていますが、実は新しくデザインされることになったガンダムのデザインにも案を出しています。
しかし庵野さんの提出したガンダムの絵柄は、どう見ても「ゲッターロボ」のようなデザインのスーパーロボットだったそうです。庵野さん自身は大まじめだったそうですが、馬鹿にされたと思った富野監督は大激怒したそうで、「庵野のバカ! 死んじゃえばいいのよ」と思わず叫んだとか。
富野監督は感情が昂るとおネェ言葉になるそうで、それはそれで見てみたい気もしますね。
■アムロが子持ち?
機動戦士ガンダムで根暗なオタクを主人公とし、Zガンダムでキレる若者を主人公とし、ガンダムZZでロリコン描写と、非常に先駆的な事ばかりやって来た富野監督。実は逆襲のシャアでも、新しいことをやろうとしました。
それは、主人公のアムロ・レイが家庭を築いて子持ちになっている状況から始めようとしたのです。これは残念ながら、サンライズ上層部に止められてボツになりました。
しかし諦めきれない富野監督は、逆襲のシャアの小説版においてアムロを子持ち状態にしています。
■ガンダムをしらなかった作詞家
逆襲のシャアの主題歌の作詞を担当したのは小室みつ子さんという女性です。ちなみに主題歌を歌っている「TM NETWORK」の小室哲哉さんとの血縁や親族関係は一切ないそうです。
ところでみつ子さんは、主題歌のオファーが来るまでガンダムのガの字も知らなかったそうです。それで参考用にと機動戦士ガンダムからガンダムZZまでをビデオで視聴したらしいのですが、今一つピンとこなかったそうです。
ところが、富野監督からアムロとシャアの関係を恋人のように例えて下さいと指摘され一気に歌詞が浮かんだとか。つまりあの主題歌の歌詞は、少々アブノーマルな意味合いを含んでいるのですね。
■再評価されたのはごく最近
集大成的な意味合いで発表された逆襲のシャアでしたが、当時の評価は冷ややかなものでした。それはガンダムに熱狂した世代が大人になり、子どもはSDガンダムに夢中だったからです。興行収入も、劇場三部作の頃とは比べ物にならないほど悪いものでした。
唯一つ、当時の女性層たちからはリアルな男性描写が一部好評な面がありました。これは男性から見れば女々しさを感じるもので到底受け入れられなかった心理描写ですが、感銘を受けた一部の女性がアニメーターとなって後年活躍するなど、一定の影響はあったようです。
逆襲のシャアが本当の意味で再評価されたのは、BDによる高解像度の映像が提供され始めたごく最近のことだそうです。
今でこそ関連商品が盛んに発売されて宣伝されていますが、公開当時の逆襲のシャアの評価は散々でした。しかし、そこにはやはり時代を先取りした監督の意匠が込められていたように思います。
特に、劇中でアムロとシャアが政治のことで激論する場面は、台詞だけを抜き取るなら討論番組で十分通用する内容です。
ロボットアニメで語るには少々大人過ぎたのかもしれませんね。
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