あ・・・あり得ない!メディアが生んだトンデモデマ事件



テレビやネットで日々報道されている膨大な量のニュースや情報。しかし、中にはとんでもないデマや誤報が混ざっているのでご用心。

世界で起きたメディア発の有名なデマ事件を紹介しましょう。




■1910年 ハレー彗星騒動

約76年の周期で地球に接近するハレー彗星。

紀元前の中国の文献にも記されているなど、古代からその存在は知られていましたが、1910年の接近では初めて写真撮影が行われ、新聞等のメディアが報道したことから、より多くの人々がこの天体ショーに興味を持ちました。

そんな中、フランスの科学者フランマリオンが、ハレー彗星が地球に衝突する可能性を説いたことが世界中の注目を集め、パニックを引き起こしました。

1910年の接近では、地球が彗星の尾の中を通過することが天文学者によって予測されていたからです。

彗星の尾を形成するガスには猛毒のシアン化合物が含まれていることが知られていたことから、フランマリオンの説が元になって、地球上の生物がシアン毒で死滅するという噂が広まってしまったのです。

また、シアン毒による災害説の他にも、『ハレー彗星の最接近時に地球上の空気が5分間無くなる』という噂が広がり、このこともパニックを助長しました。

噂を信じた富裕層の中には、自転車のタイヤのチューブを買い占めて彗星最接近時のために空気を備蓄するものや、水を張った桶に顔を突っ込んで呼吸を止める訓練をするものも出たということです。

結局、ハレー彗星が地球に衝突することはなく、毒性があるとされた尾も、地球の大気に阻まれ地上の自然環境に影響を与えることはありませんでした。

この時起きた騒動の顛末は、藤子・F・不二雄のマンガ『ドラえもん』にも描かれています。


■1938年 火星人襲来騒動

メディアが引き起こしたデマ事件として、最も有名な事例のひとつが1938年にアメリカで放送されたラジオドラマ『宇宙戦争』(The War of the Worlds)が引き起こしたパニックでしょう。

このドラマはH・G・ウェルズのSF小説『宇宙戦争』を原作としたもので、ナレーションを担当したオーソン・ウェルズによって舞台を(当時の)現代アメリカに変更され、擬似的なニュース中継やドキュメンタリー風の演出が加えられました。

オーソン・ウェルズ自身の迫真の演技もあって、多くのリスナーが現実に進行している火星人襲来の報道と勘違いし、ラジオ局に問い合わせが殺到したということです。

番組放送中、これがフィクションであると注意を促す告知が行われていましたが、そのアナウンスが流れたのは番組開始前と終了直前だけだったこともあり、聞き逃した人が多かったと考えられています。

オーソン・ウェルズのドキュメンタリー風翻案は後に、映画等でモキュメンタリーと呼ばれる擬似ドキュメンタリー風の演出手法として定着していくことになります。




■2012年 小中学生にTwitter義務化デマ

2012年にWEBサイト『虚構新聞』が、『大阪市の橋下徹市長が市内の小中学生にTwitterを義務化する』というニュースを掲示、この記事を巡って騒動が起こりました。

『虚構新聞』は個人が運営するWEBサイトで、その名が示す通り『虚構=ウソ』のニュースをいかにも現実のニュースであるかのように報道するというスタイルを取っていることで有名です。

同サイトには、扱っている記事が虚構であることが明示されていましたが、サイト運営者のTwitterへの投稿や他のサイトが引用した文面を読んで情報を鵜呑みにしてしまった人たちが情報を信じこんでしまい、それが騒動の原因になったとされています。

一連の騒動に対し、コラムニストの赤木智弘氏は、『虚構新聞』の記事への批判に対し、『元サイトを確認しないで批判するのはおかしい』と、逆批判しています。


■2014年 ゴジラは実話を元に作られた?

2014年に公開されたハリウッド映画『GODZILLA(ゴジラ)』は公開初日だけで日本円にして約39億円の興行成績を上げるなど大好評を博していますが、この空前の『ゴジラ』人気に便乗する形で行われた嘘の街頭インタビューが波紋を呼んでいます。

問題の嘘インタビューを行ったのはアメリカABCの人気番組『ジミー・キンメル・ライブ!』。

ハリウッドの街で行われたこのインタビューは、「『ゴジラ』は1954年に実際に東京が巨大トカゲに襲撃され、10万人以上の死傷者が出た実話に基いて製作されているが、そのような悲劇を元にエンタテイメント映画を製作することは良いことだったと思うか?」、という内容でした。

もちろん、日本人であれば一笑に付して終わるような与太話ですし、実際にインタビューを受けた人の多くも笑ってすましていましたが、中にはインタビュアーの話を真に受けてしまった人もいました。

『そんな映画を作るとは遺族に失礼だ』
『ハリウッドは悲劇を美化するべきではない』
『そんな巨大なトカゲが出来たのは温暖化や汚染が原因なのか?』

……などなど。

ウソだとわかりきっているような話でも、聞かされた状況次第では事実と信じこんでしまうものなのかもしれません。






■おわりに

東日本大震災の際、Twitterなどを始めネットで様々なデマが飛び交い、問題になったことがあります。

どんな情報でも、自分で裏を取る習慣を身につけることが大切なのかもしれませんね。
 

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