ネットで恨みを買うと特殊部隊がやってくる!?『SWATting』って何?



インターネットは世界中の人と気軽にコミュニケーションできる便利なツールですが、相手の正体がつかみにくい分、トラブルが起こりやすい一面があるのも事実です。

知らぬ知らぬうちに恨みを買って、予想もしない報復を受ける可能性も……。

今、北米で社会問題化しつつある悪質なイタズラ、『SWATting(スワッティング)』とは一体何なのでしょうか?




■そもそもSWATって?

SWATとはアメリカ合衆国の警察に設置されている特殊火器戦術部隊=Special Weapons And Tacticsの略称です。

銃社会であるアメリカでは、騒乱や立てこもりと言った犯罪に銃器が使用されるケースが少なくなく、普通の警官や保安官では対処できない状況に発展してしまうことも少なくありません。

1966年8月1日、テキサス大学で起こった籠城事件では、銃器を持って地上90メートルの高さにある時計塔の展望台に立て籠もった犯人に警察は太刀打ちできず、銃撃戦で民間人を含め15人もの犠牲者が出てしまいました。

後に『テキサスタワー乱射事件』と呼ばれるようになったこの事件は、全米の警察でSWAT創設の契機となったと言われています。

判断の基準は警察によって違いがあるかもしれませんが、銃器を使った籠城やバスジャックの通報に対しては、全般的にSWATを出動させるケースが多く、このことが、思わぬ弊害を生む原因にもなっているようです。


■ウソの通報でSWATを出動させる『SWATting』

『SWATting』は、警察にウソの通報でSWATを出動させることで他人に嫌がらせをする、悪質なイタズラのことです。

近年、北米で発生件数が急増しており、深刻な社会問題となりつつあります。

ニューヨーク在住の高校生、ラファエル・カスティロ君(17)が自宅でオンラインゲームに興じていると、突然自宅にSWAT60人に押しかけられるという目に遭いました。

ラファエル君がその時プレイしていたゲームは『コールオブデューティー』、通称CODと呼ばれる人気の高いオンラインFPS(ファーストパーソンズシューター、主観視点で銃撃戦を楽しむゲーム)でした。

実はラファエル君の名での通報が警察にあり、その内容が『母親を殺し、これから他の人を殺す』と言った内容であった為、緊急性を考慮した警察はSWATをさせたのでした。

もちろん母親は存命しており、調査の結果、通報はラファエル君にゲームで負けた対戦相手が腹いせに行った嫌がらせであったことが判明。

捜査のためにラファエル君のパソコンは警察に押収されてしまったということです。




■著名人が狙われるケースも多いSWATting

SWATtingの標的にされるのはラファエル君のようなゲーマーやネットワーカーだけとは限りません。

実際、SWATtingの標的にされやすいのはセレブ層です。また、有名な俳優やタレントが標的にされるケースも少なくありません。

俳優のアシュトン・カッチャーやミュージシャンのジャスティン・ビーバーの家に強盗が入ったという偽通報でSWATが出動した事件では、12歳の少年が犯人として逮捕されています。

少年の家庭は崩壊状態にあり、少年は母親と同居してはいるものの学校にも通わず、ひたすらネットに没入する生活をしていたということです。

少年は起訴猶予となり保護観察処分となったそうです。


■30回を超えるSWATtingで逮捕されたカナダの高校生

カナダでは30回以上のSWATtingを行った高校生がアメリカとカナダの合同捜査チームに逮捕されるという事例が発生しています。

逮捕された16歳のカーティス・ガーベスは30回以上もSWATtingを行った他、ネット上で炎上事件や殺人予告など、様々な犯罪行為を行っていました。

Twitterでは『誰にでも好きな相手の家にSWATを送り込んでやる』というツイートを行い、彼にSWATtingを依頼したケースもあったそうです。

警察は捜査の結果、犯人の身元を”特定”したテキストファイルをネット上で発見、その情報に基いてカーティス・ガーベスの逮捕に至ったということです。

ネットの匿名性を利用した悪質なイタズラが横行するのは、日本でもアメリカでも違いはないようです。

社会全体がもっと意識をもって、この問題に対処する必要があるかもしれません。




■おわりに

他人の家に出前を届けさせる嫌がらせの手口は昔からありましたが、まさか警察の特殊部隊まで届けられるとは……。

恐ろしい時代になったものです。
 

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