今一番アニメ化が期待されていると言われているアニメ作品を知っていますか?



初の作品集「虫と歌」が第14回手塚治虫文化賞、新生賞を受賞し、2作目の「25時のバカンス」がマンガ大賞2012の5位に選ばれ、一躍注目を浴びることになった市川春子さん。

彼女の初の長編「宝石の国」の単行本発売と共につくられたPVは、音楽と字幕のみ30秒のボリュームにも関わらず現在19万PVを突破し、これを見た人は口々に「アニメでこの作品がみたい!」とのコメントを寄せています。

今一番アニメ化が期待されている作品といっても過言ではないのでしょうか。




■まずはPVをご覧ください




■今から遠い未来、僕らは「宝石」になった

その一説から始まるアフタヌーンの公式サイトでの作品紹介は、今までにない斬新な設定であることを、まず私たちに印象付けます。

28人の宝石たちは、姿形は人間のまま宝石のもつ脆さと強さ、そして美しさを兼ね備え、昼夜彼らを装飾品にしようとやってくる「月人」との戦いを続けています。

宝石たちにはそれぞれ、硬度が高く丈夫なために戦闘に従事するもの、戦闘で負傷した宝石たちを治療する医者、戦闘服を作成するもの、などなど一人ひとりに与えられた仕事があります。

しかしとても脆く、おっちょこちょいで役立たずのフォスフォフィライト(愛称:フォス)にはなかなか仕事が与えられません。

ようやく仕事を任命されたと思ったら、その仕事は戦闘希望のフォスにはちょっと不本意な「博物誌の作成」という内容でした。

フォスは博物誌のための調査中にシンシャという孤立した宝石に出逢います。

シンシャは体から毒液がでてしまうため、夜の見張り役として、誰にも近寄らず近寄れずにいるのでした。

お互いに特別な感情を抱くフォスとシンシャ。誰の役にもたてない、けれど誰かの役に立ちたい、という気持ちが二人を引き合わせたのでした。




■独特な世界観

登場人物が皆「宝石」という今までにない設定ながらも、心理的な描写の書き方が素晴らしく、ぐいぐいと物語の世界に引き込まれてしまいます。

その魅力は宝石という括りがありながらも、個性豊かなキャラクターたちにもあります。

「フォス」と「シンシャ」の他に、同じダイヤモンドでありながら一番強い「ボルツ」に憧れる「ダイヤモンド」、宝石たちの中で最強(最恐)の総括役「金剛先生」、三つ編みがトレードマークのアメシストの双子「エィティーフォー」と「サーティースリー」などなど、

聞いた覚えのある宝石の名前から、なんだそれと思うような名前のコアな宝石まで、たくさんの宝石たちが人間の姿になって登場します。


■二巻で明かされた驚きの事実

一巻が発売された時の読者の反応は、登場人物の多さと名前のややこしさにプラスして、白黒であるが故に余計にキャラクターの判別がしにくいということと、

まだ明かされていない設定があったことから、「不思議な感じ」「むずかしい」「内容がよくわからない」といった感想を多く見受けました。

が、二巻になり、読者が一気に市川春子さんの世界に呑み込まれたような気がします。

一巻で不思議だなと思わせていた部分に光があたり、さらに続きが早く読みたい!と思わせるような伏線回収がなされたのです。

それは、『今から遠い未来、僕らは「宝石」になった』というこの一巻の帯にも印字された文章。伏線だとも思っていなかったこの文章。

僕らは、というのは、紛れもなくわたしたち人間全体のことだった、というのが判明したのです。

そしてまた、襲いくる「月人」もかつては人間だったという、しかし「人間」というそのもの自体を宝石たちは知らないのです。

もはや読んでない人にはちんぷんかんぷんの話なのですが、読めば納得します。そして続きが読みたくなります。

「どういうこと?」と思った人、ぜひ読んでみてください。本屋さんに行けば平積みになって置いてあるはずです。

繊細で透明感のあるタッチとそれを際立たせる鮮烈な感性が、とてもよく練りこまれたストーリーの中で、まるで本物の宝石のように光を放つのです。




■おわりに

重大な設定が明かされた二巻が発売され、ますます色々な人の心に焼き付いていく市川春子さんの描く「宝石の国」。

なんと本の装丁もご自身でなさるそうで、作中の中でも随所で光るセンスが表紙からも感じられます。

そしてぜひ単行本を手に取って、もしかしたらあなただったかもしれない宝石たちの美しさと強さに、息をのんでみてはいかがでしょうか。
 

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