ここまで進化した!!潜水艇の歴史と最新型深海潜水艇『しんかい12000』!



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NHKの番組で深海に生きる巨大イカ、ダイオウイカの生きた姿が放送されるなど、最近深海探査についての話題を耳にする機会が増えています。

2013年末、海洋研究開発機構が次世代の有人深海潜水艇『しんかい12000』の計画を発表しました。




■最初は釣り鐘型だった

(参考画像URL)

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/92/258362111459465cfcf25b0f3ec62034.jpg

人間が素潜りで潜水できる深度には限界があります。

ただ潜るだけなら足ヒレをつけた状態で100メートル以上潜った記録が残っていますし、身体に重りをつけての潜水では214メートル潜ったというのが最高記録となっています。

しかし、それはただ潜っただけの記録でしかありません。海底で活動し、ある程度以上の時間作業を行おうとすれば、当然相応の装置が必要となってきます。

人間が乗り込む形で海底に潜る潜水装置の元型となったのは潜水鐘と呼ばれるものです。これは釣り鐘型をした金属製の本体を船などから吊るし、水中へ下ろす原始的な構造でした。

本体内には管を通して水上から絶えず送気されており、潜水鐘の内部の空洞は常に一定気圧に保たれています。この内部に人間が入り、水中へと潜ることになります。

マケドニアの王アレクサンドロス3世(アレクサンダー大王)がガラス製の瓶を使って海に潜ったという伝説が残されており、これが潜水鐘の最古の記録といえるかもしれません。

16世紀には、イタリアやスペインで潜水鐘を使って水中で作業を行ったとする記録が残っています。


■開放型の鐘から閉鎖型の球へ

(参考画像URL)

http://dougrhodehamel.files.wordpress.com/2009/12/big_bathysphere32.jpg

20世紀に入り、より深い海底探査の為に作り出されたのが潜水球です。潜水球は読んで字のごとく、球形をした潜水装置です。

水上の船等から吊るして運用するのは潜水鐘と同様ですが、密閉式のため、より深い水中に潜ることが可能です。

最初の潜水球は、アメリカ人のオーティス・バートンによって1928年に考案されました。

厚さ1インチ(2.54cm)の鋳鋼製の球体で、直径は4.75フィート(1.45m)、3インチの厚さのある熔解石英製の窓がはめ込まれていました。

空気は内部に持ち込まれたボンベから供給されます。

オーティスバートンは、協力者だった博物学者のウィリアム・ビービと共に1930年、潜水球による初の有人潜水を試み、803フィート=245mの深度へ到達することに成功、1932年にが3028フィート(923m)という有人潜水深度の世界記録を作りました。

潜水球は、潜水鐘と同様に水上から吊るす形で運用されるため、行動に自由が効かないこと、また、より深く潜るほど球を吊るすワイヤや母線との連絡用ケーブルを保護することが難しいという欠点があります。

この問題をクリアするために開発されたのがバチスカーフでした。




■自由に移動可能な潜水球、バチスカーフ

バチスカーフを創ったのは、スイスの物理学者にして冒険家のオーギュスト・ピカールでした。

バチスカーフの核となるのはそれまでと同じ潜水球です。

母船などから吊り下げて運用される潜水球との最大の違いは、自らにフロートを持つことで自由に行動することが可能になっているという点です。

バチスカーフは乗組員が乗り組む潜水球部分と、その潜水球の浮沈を担う大きなフロートタンクで構成されています。

フロートタンクは水よりも軽いガソリンで満たされています。

ガソリンは外圧で起こる体積の変化が小さいという特性を持っており、フロートタンクが圧力を受けても変形し難く、破損が生じる恐れを最小限に抑えることが可能です。

バチスカーフ底部には、潜行に必要なバラストが装備されています。

このバラストは本体と電磁石で固定されており、海底に到達したバチスカーフはバラストを放棄することでフロートの浮力により再浮上が可能になるわけです。

オーギュスト・ピカールが建造した二番目のバチスカーフ、トリエステ号は1960年、マリアナ海溝の最深部、チャレンジャー海淵の海底に到達し、潜水深度10911mの世界最高記録を樹立しました。

バチスカーフはそれまでの潜水球よりもはるかに行動の自由を確保できるという意味では進んだ深海潜水艇でしたが、それでもその構造上、海底での行動の自由は最小限に抑えられていました。

1970年以降、無人潜水艇の開発が活発化し、有人潜水艇はその数を減らしていきました。


■2本の腕と2つの船室を持つ『しんかい12000』

『しんかい12000』は、現在海洋研究開発機構が保有・運用している唯一の大深度有人深海潜水艇『しんかい6500』の後継機として開発が計画されている潜水艇です。

2023年頃の就航を目指しています。

その名が示すように、『しんかい12000』は最大潜水深度12000mを目標としています。

これは世界で最も深い海、バチスカーフのトリエステ号が潜行したマリアナ海溝のチャレンジャー海淵の深度10911メートルを超える深度であり、『しんかい12000』はその最大深度での自由な探索活動を可能とします。

外観上の最大の特徴は、腕のような2本のマニピュレータを装備していることです。このマニピュレータによって、深海の標本採取や各種の作業を自由に行うことが可能です。

もうひとつの大きな特徴は2つの船室を持つということです。『しんかい6500』には乗組員が乗り込める船室が1つしか無く、行動可能時間も9時間しかありませんでした。

深度6500メートルに潜水する場合、潜行に3時間、浮上に2.5時間を要するため、最高深度での行動可能時間は3.5時間しかありませんでした。

これに対し『しんかい12000』は、操縦用の船室の他、乗組員の睡眠や食事に用いられる2つ目の船室を有し、4人の乗組員を乗せて最大72時間潜水活動が可能になります。

これによって、深海探査の可能性が大きく向上することになりますね。

(参考画像URL)

http://livedoor.blogimg.jp/military380/imgs/e/3/e383e76f.jpg




■おわりに

『しんかい12000』によってどんなものが発見されることになるのでしょうか?

今から就航するのが楽しみですね。
 

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