『あしたのジョー』の真っ白に燃え尽きる部分に焦点を当てて考察してみた



お気に入り


「あしたのジョー」といえば、誰もが知るボクシングアニメです。

高森朝雄/ちばてつや原作の人気コミックで1970年にアニメ化され、続編の「あしたのジョー2」は1980年にアニメ化されました。

40年以上前の作品ですが熱狂的なファンが多く、CMやパチンコなどで何度も扱われ、2011年には山下智久主演の実写映画にもなりました。

見た事が無い人でも、タイトルくらいは聞いたことがあるでしょう。

そんなあしたのジョーのトリビアをご紹介したいと思います。




■真っ白に燃え尽きた後の話があった

「あしたのジョー」といえば、【真っ白に燃え尽きたジョー】の姿が有名だと思います。

アニメでは「あしたのジョー2」の方になりますが、最終回ではホセ・メンドーサとの死闘の末、最後にコーナーの椅子に座ったまま笑みを浮かべて「真っ白に燃え尽きている」ジョーの姿が映ってエンドとなります。

原作でももちろん同じラストなのですが、実は原作では当初この終わり方ではありませんでした。

原作者である高森朝雄が作画のちばてつやに渡したラストは、

「ホセ・メンドーサに判定で敗れたジョーに段平が、『お前は試合では負けたが、ケンカには勝ったんだ』と労いの言葉をかける。ラストシーン、白木邸で静かに余生を送るジョーと、それを見守る葉子の姿」

となっていました。

しかしそれを見たちばてつやは

「ここまでやってきて、『ケンカに勝った』はないじゃないか」と考えて、電話で「ラスト、変えますよ」

と、高森朝雄に伝えて承諾を貰ってから描き変えました。それがあの有名な「真っ白に燃え尽きたジョー」なのです。

やっぱり【真っ白に燃え尽きた】という方がジョーらしいので、このラストになって良かったと思いますが、ちょっぴり「静かに余生を送るジョー」というのも見てみたいような気もします。




■劇場とTVを同時進行で制作した結果

「あしたのジョー2」は、劇場版とTV版をほぼ同時期に制作していました。

先にTV版の制作をしていた為、劇場版の前半はTV版を再編集した形で作られ、後半は劇場用に制作したものを、TV版に流用していました。

劇場版は1981年7月18日に公開されましたが、その時点ではTV版はまだ放送中で、TV版の最終回が放送されたのは8月31日でした。

TVが先に放送していたにもかかわらず劇場版がTVの最終回よりも先に公開となったため、ラストの「真っ白に燃え尽きたジョー」の映像が全国に公開されてしまいました。

劇場版とは違う演出でこのラストを描きたかったのですが、新しく作る時間が無いため悩んだ結果、真っ白に燃え尽きたジョーのカットを劇場版とは逆に動かす演出方法を取りました。

つまり、劇場版では真っ白に燃え尽き笑みを浮かべたジョーのアップから、エンディングの歌と共に次第に小さくなっていく手法で撮影され、TV版では、最初画面に小さく映る真っ白に燃え尽きたジョーの姿から、次第にカメラが寄って行くようにアップになるという手法で撮影されたのです。

演出を変えた結果、全く違う映像のような印象になりました。




■おわりに

今回は、あしたのジョーで最も印象的な「真っ白に燃え尽きる」という部分に焦点を当ててご紹介しましたが、「真っ白に燃え尽きる」=「死」という訳ではありません。

ジョーの生死については明確にされていませんが、上記に書いたように原作者・高森朝雄の中では「死んでいない」という事になっており、ちばてつやの中では「燃え尽きた」という表現にとどまっています。

ボクサー生命が尽きるという意味も「死」と同じです。

そういう意味もあるかもしれません。
 

お気に入り


あわせて読みたい


【スポンサーリンク】