深海の驚異?双頭双尾のクジラ、メキシコで発見される
結合双生児とは、身体の一部が結合した双子(双生児)のことです。
19世紀に有名になったチャン&エン・ブンカー兄弟の出身地がシャム(現在のタイ王国)であったことから、かつては『シャム双生児』とも呼ばれたこともありました。
結合双生児は人間のみならず、哺乳類や鳥類、爬虫類など、さまざまな種類の生物で発生することが確認されています。
2014年1月、メキシコでクジラの結合双生児が発見されたというニュースです。
■なぜ、結合双生児が生まれるのか?
結合双生児は、受精卵の分裂が遅れて起きたなどの事情によって、一卵性双生児の身体の一部が結合して生まれてきたものです。
一卵性ですから必ず同性同士の結合であり、違う性別というケースはありません。
結合している部位による分類分けがありますが、生命維持に必要不可欠な器官を共有している場合、分離手術は難しくなってしまいます。
結合性双生児が生まれる確率は、5万~20万分の1と言われています。
中東・アフリカ地域で発生する確率が高いとも言われていますが、裏付けとなるデータに乏しく、推計に過ぎないと考えられています。
■非常に珍しい、クジラの結合双生児
人間以外の哺乳類にも結合双生児の発生は起こりますが、その多くは「多頭」=つまり一つの身体に頭が複数あるような状態で生まれてきます。
古くからその存在が知られており、魔女裁判の時代に収集された子豚や猫の標本が現在も残っています。
しかしクジラで確認されたのは、非常に珍しいケースと言えます。
件のクジラが発見されたのは、メキシコのバハ・カリフォルニア半島にあるオホ・デ・リエブレ湖(潟)の岸辺、体長4メートル程のコクジラです。
ここはコクジラの繁殖地として知られており、世界のコクジラのおよそ半数はここで生まれたものとされています。
問題のコクジラは、発見時にはすでに死んでいました。サイズから、親クジラが流産したものであると考えられています。
ひとつの胴体に2つの頭部と尾ひれを持つ、側部結合奇形(parapagus malformation)といわれる状態のものでした。
研究者たちはこのコクジラの死体を調査し、その原因や要因が同海域にあるかどうか、念入りに検証を進めているということです。
■おわりに
世界中のいろいろな神話・伝説にいくつもの頭を持ったヘビや動物が登場しますが、このような事例は相当昔から起きていたのかもしれませんね。
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