主人公は悪魔か人間か?「黒執事」を考察してみた



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アニメ「黒執事」という作品をご存知でしょうか。2008年に1期が放送され、多くの女性ファンに支持され、2010年に2期が放送されました。

また2014年1月には実写映画にもなり、水嶋ヒロノ俳優復帰作として話題になりました。その他に舞台などにもなっています。

原作は『月刊Gファンタジー』にて連載中の同名コミック。

物語は、19世紀末期のイギリスを舞台に、名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家の執事セバスチャン・ミカエリスと、彼が使える年若い主人シエル・ファントムハイヴが、

裏稼業である「女王の番犬」として諜報活動を行いつつ、ある目的を果たさんとするダーク・ファンタジーです。

今回はこの「黒執事」のアニメと原作の違いについて考察したいと思います。




■主人公が違う?

原作とアニメはかなり違うというのが、ファンの間でも言われてきたことでした。アニメにはかなりオリジナル要素が含まれ、アニメだけの用語などもあるほどです。

しかしストーリーの部分などの違いはともかく、もっと根幹たる違いがあるのではないかと注目しました。

それは主人公の違いです。

「黒執事」は、W主人公というのが、表向きの見せ方となっています。つまりシエルとセバスチャンの二人です。

しかし「表向き」と敢えて表現したように、実際にはそうでないという見方があります。

原作では、セバスチャンが主人公。アニメでは、シエルが主人公。そのように感じます。

そもそもタイトルが「黒執事」ですから、執事であるセバスチャンの事を指していると考えるのか当然です。またその通りであるというような描かれ方を感じます。

セバスチャンの決め台詞「あくまで(悪魔で)執事ですから」も、意味深に使われています。

しかしアニメでは、シエルとセバスチャンの関係について、主人と執事・・・つまり主従関係と言う部分を常に意識して描かれているような印象があります。

前述に書いた「あくまで執事ですから」の台詞も、少し違う意味で感じられます。

つまり原作では、セバスチャンありきの物語で、悪魔と人間の関係を描く物語・・・セバスチャン(悪魔)は、シエル(人間)よりも上位の存在であり、敢えて人間に使える事で、何かを楽しんでいる。そんな風に見えます。

しかしアニメでは、シエル(主人)が、セバスチャン(執事)を選び、「契約」という執着で繋ぎとめている。そんな風に見えるのです。




■主従関係に拘った結果

原作とアニメの違いについて、シエルとセバスチャンの関係及び扱いの違いにあると書きました。

主人公をシエルとし、二人の関係を「主従関係」という形で描いたのは、アニメスタッフや監督の解釈の問題ではないかと思います。

そしてこの「黒執事」という作品の根幹が「主従関係」であるとした結果が、2期での主人公総替えに至ったのではないかと思うのです。

2期では、アロイスとクロードという別の貴族の主従2人が主人公となりました。

これは原作ファンを一部怒らせましたが、物語としては結局、シエルとセバスチャンの二人について、きちんと結末を付ける為の伏線となりました。

原作では、悪魔と人間の関係を描いており、悪魔が上位であると書きましたが、アニメの2期で最終的にシエルが悪魔になってしまった為、セバスチャンは「悪魔の執事」となります。

決め台詞も「あくまで悪魔の執事ですから」になります。つまり原作でのセバスチャンの優位論が、ここで逆転していることになります。

「悪魔と人間」の関係から、「悪魔と悪魔」になる為、残るのは「主従関係」のみになります。

このシエルとセバスチャンの関係の描き方が、アニメ版の拘りではないかと思うのです。




■おわりに

ここまで考察して、ふと気づいた事があります。

原作でのシエルとセバスチャンの関係と言うのは、「デスノート」の夜神月とリュークの関係に似ている気がしました。

そんな風に考えるとまた見方が変わるのではないでしょうか?

「黒執事」をまだ見た事の無い方は、ぜひこのダークファンタジーの世界を体験してみてください。
 

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