のび太ってそこまでダメ人間?ドラえもんの深い問題について考察してみた



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国民的アニメ「ドラえもん」で、主人公の野比のび太といえば、知らない人はいないのではないかと思う位でしょう。

以前、のび太が本当に「ダメ人間」なのか、彼の魅力について考察した事があります。

「ドラえもん」という作品は、主人公のび太があまりにもダメ人間な為、未来の子孫が彼を正しく導くために「ドラえもん」というネコ型の子守ロボットを送り込むという物語です。

一見特に問題の無い物語のようですが、まったく違った角度から見ると、とても深い闇がある事に気づきます。

今回はその辺りについて真面目に考察したいと思います。




■「いじめ」という問題

前述にも書いた「のび太は本当にダメ人間なのか?」という点については、結論としては、のび太は確かにダメな所はあるが、長所も短所もある至って平凡な少年でした。

のび太の問題は子孫のセワシが、「未来を変える」という為に、本当に良い未来になるかどうかわからないというリスクを背負ってまで、高額のネコ型ロボットをタイムマシンで送りつけるほどの問題であるとは思えなかったのです。

「のび太を更生する」という問題でないのならば、なぜドラえもんが送られたのか?そう考えた時に、視点を変えるとある重大な問題がある事に気づきました。

そう・・・「いじめ問題」という深刻な問題です。

誰もが何度も、ジャイアンにボコボコにされて、「ドラえも~~ん」と泣きながら帰ってくるのび太の姿を見た事と思います。

そのほとんどは、のび太には何の落ち度もないただの『いじめ』による暴力だったりします。

「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」という理論で、のび太のマンガやゲームを取り上げ、反抗すると怒鳴る殴る等の行為に及んだり(窃盗・恐喝)、人の話を盗み聞きしたり、八つ当たりで暴力を振るったりされています。

時にのび太が、ドラえもんの道具を使って、ジャイアンに仕返しをしようとした結果、バレて倍返しにあう事もありますが、結局それも結果であり、仕返しをするにあたる経緯は、ジャイアンによる理不尽な暴力などに対する物です。

毎日のようにボコボコに殴られ、時には服が破れたり、眼鏡が割れたりするほどの目にあっているにも関わらず、周囲はそれを放置しています。

決してのび太は、それを周囲に隠している様子はなく、学校から家まで泣きながら帰ってくる事もあります。

なぜのび太の「いじめ」は放置されているのでしょうか?母親も先生も、しずかちゃんでさえ見て見ぬふりをしています。

それどころか、先生はのび太をガミガミと叱り、母親もガミガミと叱ります。

もちろん宿題を忘れたり、成績が悪かったりすることで叱られるのですが、のび太が毎日いじめられることによるストレスなどが、それらに影響しているとは考えないのでしょうか?

現実であれば、とっくに「自殺」をのび太が考えたとしてもおかしくない状況です。




■のび太を守る為のドラえもん

問題があるのは、のび太本人ではなく、周囲にあるのではないでしょうか?

のび太はジャイアンによる身体的暴力の他にも、スネ夫からは「のび太のくせに生意気だぞ」と差別を受けています。

連日の執拗ないじめと、それに無関心な両親や先生やクラスメート。

例えばもしも自殺をしなかったとしても、こんな小学校生活を6年間も続ければ、例えどんなに優れた少年であっても(出来杉君でも)、人格形成に大きな影響があるのではないでしょうか?

発達心理学では、このような子供時代の長期いじめにおける影響について以下のような問題があると提示されています。


<社会性発達への阻害>
学校での集団生活の中で、子供は社会性を身に付けますが、いじめに遭っている子は、友達関係からの疎外により孤立し、社会性を身に着けることが出来ません。

その為大人になった時、外の世界に恐怖を感じ社会に出ることが出来なくなります。


<自尊心の低下>
相手を卑下する言葉の暴力(「のび太のくせに生意気だぞ」など)は、自尊心を著しく傷つけます。長期間そのような言葉の暴力を受け続けると、自分を惨めに思い「自分なんてどうでもいいんだ」という思いに憑りつかれ自殺の原因にもなります。


<学力の低下>
いじめられている子は、毎日「どうしたらいじめられずにすむか」という事で頭がいっぱいになり勉強どころではなくなります。その為学力が低下します。


<人間不信>
いじめられている子が、誰からも助けてもらえない状況に長期間いると、周りが全て「敵」と感じるようになり、人間不信へと陥ります。


つまり、のび太は放っておくと、益々学力が落ちていき、社会性が無くなる事と人間不信から「ひきこもり」になってしまう可能性があります。

それこそ、のび太の未来は「どうしようもないダメ人間」になってしまうのです。

最悪の結果は、自殺してしまい、子孫のセワシ君も生まれないという状況になります。
ですからドラえもんは、のび太の「救世主」なのです。

唯一の味方であり、愚痴も泣き言も聞いてくれ、尚且つ救いの手を差し伸べてくれる救世主。

ドラえもんは、「ダメ人間のび太」を更生させる為に未来から来たのではなく、助けて守るために来たのではないでしょうか?




■おわりに

いかがですか?

「なぜドラえもんが未来から来たのか」という部分を、視点を変えてみるとこんなに違う物ですね。

そして「ドラえもん」を観た子供たちが、「ジャイアンとスネ夫はひどい」と思う事で、「いじめは悪い事」と思ってくれていたら良いなと思いました。
 

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