発明者はサンドウィッチ伯爵ではない?意外と知られていないサンドイッチの裏話



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私たちが日頃よく食べる軽食のひとつにサンドイッチがあります。

このサンドイッチを発明したのは18世紀イギリスの貴族、ジョン・モンタギュー・サンドウィッチ伯爵という人物だった、というのは有名な話ですよね。

でも、実はそうじゃないんです。果たして、サンドイッチの本当の発明者とは……?




●サンドイッチは紀元前から存在した?

穀物を練って焼いたパンや、それに類するもの(インドのナンやメキシコのタコスなど)に、具材を乗せたり包んだり、あるいは挟んで食べるという料理は、古くは紀元前からあったと考えられています。

中世ヨーロッパには、古くなった固いパンを皿代わりに使うという習慣がありました。料理の汁気を吸ったパンは柔らかくなり、食すことができました。このパンのことをトレンチャーと呼び、後の時代に、金属や木製の更に置き換わることになります。

パンで具材を挟んで食べるという方法は、最初は下層階級の者達が酒を飲みながらの食事や賭け事をしながら食べる下世話な料理として普及しましたが、やがて貴族などの上流階級の食卓にも取り入れられていきます。

このような理由から、18世紀のイギリスには上流階級でも一般的な軽食スタイルとして、すでにサンドイッチは普及していたと考えられており、この時代の貴族であったサンドウィッチ伯爵がサンドイッチを食べていたとしても不思議はないことになります。

つまり、彼はサンドイッチを発明したわけでも、あるいはそれを普及させたわけでもない、ということになります。

では、なぜサンドウィッチ伯爵の名前が、サンドイッチという料理の名前として定着したのでしょうか?




●ゴシップが生んだ『サンドイッチ』という名称

料理の名称としての『サンドイッチ』という名称は、サンドウィッチ伯爵と同時代の歴史家で、有名な有名な”ローマ帝国衰亡史”を記したことで知られるエドワード・ギボンの日記に記されているのが初出とされます。

いつから『サンドイッチ』という名称が普及したかのか、それを正確に伝える情報は残っていませんが、サンドウィッチ伯爵の名前がその語源となったことを裏付ける文献として、フランス人のピエール=ジャン・グロスレがロンドン滞在の記録を記した著作『ロンドン』を上げることができます。

この書物の中に噂話として”国務大臣=サンドウィッチ伯爵が食事を取るヒマを惜しんでカード賭博にかまけていて、空腹の時はパンに挟んだ牛肉を食べる。イギリス国民はこの食べ物のことを『サンドイッチ』と呼んだ”といった内容の話が紹介されています。

一説によれば、この噂を流布したのは、当時サンドウィッチ伯爵の政敵であった急進派議員ジョン・ウィルクスであったと言われています。

ウィルクスは後にサンドウィッチ伯爵が”地獄の火クラブ”という悪魔崇拝者の秘密結社のメンバーであると暴露し(実は”地獄の火クラブ”はただの社交クラブであり、ウィルクス本人もそのメンバーだったのですが)厳しく糾弾しています。

ウィルクスがサンドウィッチ伯爵を貶めるために、伯爵が『サンドイッチ』片手にカード賭博にうつつを抜かしていたという噂を立てたとしても、確かに不思議なことではありませんね。

サンドウィッチ伯爵にとっては全く思いがけないことで自分の名前が広く後世に知られることとなったわけですが、本人がそのことを知ったらどう思うのでしょうか?




■おわりに

2011年、サンドウィッチ伯爵の子孫にあたる人物がロンドンの金融街にサンドイッチショップをオープンしたことが話題になりました。

先祖のゴシップを商売に利用してしまうとは、何ともしたたかで、ユーモラスな話ですよね。

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