アニメを夕方に放送すると企業的価値が低い?「ガンダムX」の知られざる裏話



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機動新世紀ガンダムXは、ガンダム史上2回目の打ち切りを食らった不遇な作品です。しかしガンダムシリーズの中では珍しい、ボーイ・ミーツ・ガール路線を貫いた王道系の作品であります。

また製作者一同が、富野監督が作り出した『ガンダム』に対して真摯に向き合っており、実際富野監督からはそれなりの評価を得ています。

そんな隠れた名作であるガンダムXのトリビアをご紹介します。




■声優の”オッサン声”で打ち切り?

ガンダムXで主役の声を演じたのは、高木渉さんという声優です。実は彼は、前作の「新機動戦記ガンダムW」に登場するキャラクターの一人に起用が内定していました。ところが別の声優事務所から横やりが入って、高木さんは降ろされてしまいます。そして、その代替として本作の主役にキャスティングされたのです。

ところが、放送が始まると高木さんの声が『オッサン声』だとの批判が、盛んに放送局やサンライズに送られてくるようになりました。ガンダムXは別の理由で打ち切りとなってしまいますが、高木さんは打ち切り直後の打ち上げ会で、自分の声のせいで打ち切られたようなものだと号泣したそうです。


■打ち切りの本当の原因

ガンダムXの公式な打ち切りの理由は、視聴率低下とプラモデルの売り上げ不振であるとされています。ところがもう一つ、大きな出来事が打ち切りに関係しています。それはガンダムXを放送していたテレビ朝日に起こった買収騒動です。

当時、ソフトバンクの孫正義氏とメディア王と異名をとるルパート・マードック氏によって、テレビ朝日が買収されそうになった出来事がありました。

結局は、朝日新聞社が筆頭株主になることで決着がついたのですが、この買収騒ぎのゴタゴタでガンダムXは放送時間が早朝に移動になりました。これは、買収対策である企業的価値を高める一環だったとされています。つまり、アニメを夕方やゴールデンタイムで放送していると企業的価値が低いと見られてしまうのです。

そういった事情で、ガンダムXは視聴質が低下し、打ち切りという悲劇に見舞われてしまったのです。




■当初はトンデモ企画になるはずだった

視聴開始時やその後においても地味と評価されるガンダムXですが、当初の企画時に構想されていたものは全く異なるものでした。

高松監督が当初考えていたイメージは、80年代~90年代にかけて子供たちの間で流行ったSDガンダムをベースに、ガンダムが戦国時代にタイムスリップして武者ガンダムになる話や、普通の一般家庭にガンダムが居候する話を構想していたそうです。

しかし高松監督は、疲労困憊の中でガンダムWを終わらせたのにまだ上層部が続けさせるのかというガンダムに対する哀れみから、ガンダムを自由にさせてやりたい一心でガンダムXを作ったのだそうです。

結果、幸か不幸かガンダムXは打ち切りに遭いそれから3年間新作が作られることはありませんでした。


■アムロが登場?

物語の終盤、ガンダムXの重要なキーマンとなる「D.O.M.E」が登場しますが、実はその声をアムロ・レイを担当していた古谷徹さんが演じる予定でした。ところが監督の判断で、ナレーションを担当していた光岡湧太郎さんに変更されてしまいます。

これは監督自身が熱望したことで、古谷さんだと富野監督の世界観に引きずられてしまい、他人の褌を借りることになって失礼だと考えたからだそうです。結局、物語を語っていた存在をキーマンにすることで、作品自体の綺麗な落としどころを着けた監督の英断だったと評価できると思います。




ガンダムXは視聴者的にウケは良くありませんが、製作者が真摯にガンダムに向き合った作品だと評価する人たちもいます。

しかし、スポンサー的には売れるガンダムが熱望されたようで、ガンダムXの失敗が後のガンダムseedなどの物語を重視しない荒れる作品に繋がって行きます。

ある意味で、市場の原理主義に飲み込まれた悲劇のガンダム作品と呼ぶことが出来るでしょう。

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