天空の城ラピュタの都市伝説について考察してみた
ジブリ作品「天空の城ラピュタ」は、1986年に劇場公開されました。宮崎駿監督が初めて「原作の無い」完全オリジナルアニメとして作った作品としても有名です。
TVでも何度も放送されているので、ご存知の方も多いと思います。
さて、この「天空の城ラピュタ」にある都市伝説がある事をご存知ですか?
その都市伝説とは、『劇場版とTV放送版でエンディングが違う』というものです。
さて先に答えをお教えすると、もちろんそんな都市伝説はガセネタ!まったくの嘘です。
違うエンディングなど存在しません。
ではなぜそんな都市伝説が出来てしまったか?今回はその事について考察したいと思います。
―違うエンディングとは
さて、まずはエンディングがどんなだったか皆さんは覚えていますか?
ラピュタから無事に脱出したパズーとシータは、ドーラ達と分かれて凧に乗って帰っていく所で終わっています。
では都市伝説の違うエンディングとはどんなものでしょうか?これには実は何通りも噂があるのです。
・パズーとシータは飛行石を海に捨てた
・パズーがシータをゴンドアまで送り届け、飛行石を暖炉の穴に戻した
・ドーラ一家のその後の活躍が見られた
なんでいくつもあるのでしょうか?この噂が本当だというのならば、違うエンディングはTV版用の1つのはずです。
それでは、噂のエンディングの正体について1つずつ考察したいと思います。
―パズーとシータは飛行石を海に捨てた
「海に捨てて」はシータの名台詞のひとつです。ムスカから飛行石を守るために、必死でパズーに渡そうとして言う台詞で、皆がとても印象に残っている場面だと思います。
その台詞が記憶に刷り込まれて思い込んでしまったと考えられます。
―飛行石を暖炉の穴に戻した
これもシータの台詞で「だからいつも暖炉の穴に隠してあって、結婚式にしかつけなかったんだわ」というのがあります。これも思い込みと思われます。
上記の2つについては、そもそもバルスが発動した時に飛行石も飛散しており、脱出した時にパズーもシータも持っていませんから、出来るはずの無い事と言えます。
―パズーがシータをゴンドアまで送り届け
実はこれ小説にあるエンディングです。
アニメージュ文庫から出ている小説版には、後日談が少し書かれていて、その中でシータは故郷のゴンドアまで送られています。ただし、送ったのはパズーではなく鉱夫のバイクさんでした。
さすがにまだ13歳のパズーには、遠路まで送り届けることは難しいでしょうね。
―ドーラ一家のその後の活躍が見られた
これは噂の出所が全く分かりませんでした。誤解させるようなものも何もないので、なぜこんな噂が出たのか不明です。
―なぜそんな都市伝説が出たのか?
この都市伝説がもっとも盛んに言われていたのは2000~2002年ぐらいの事です。最近はさすがにあまり聞かれなくなりましたが、なぜそんな噂が立ったのでしょうか?
まず背景として、インターネットが盛んに普及され始めた頃が2000年頃になります。
それまで学校や近所程度しか広まらなかった噂が、インターネットによって全国規模で流れるようになり、大きな噂は真実性まで持つようになってしまいます。
次に、劇場公開から14~15年経っている事も大きな要因です。
例えば幼稚園の頃に映画館で観て、大人になってから久しぶりにTVで観た時、思っていたエンディングと違う・・・そんな錯覚を覚えてもおかしくありませんよね。
子供の頃に観た映画を、大人になってから観た時「あれ?こんな話だったっけ?」と思う事ってありませんか?
原作漫画とアニメで少し内容が変更になった場面があった時、記憶違いを起こすことはありませんか?
これらの都市伝説については、スタジオジブリも公式で否定しています。
ことわざに「幽霊の正体見たり 枯れ尾花」というのがあります。思い込みで、枯れたすすきの穂も幽霊に見えてしまうという物です。
都市伝説も追求すれば正体は何ともないことかもしれませんね。