「岸辺露伴は動かない」が単行本化されるまでの16年間を調べてみた



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先日、荒木飛呂彦先生の「岸辺露伴は動かない」が単行本化されて話題になりました。

人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第4部の人気キャラクター岸辺露伴が登場する短編集です。

昔からのファンは勿論のこと、最近アニメなどで「ジョジョ」について知った今どきファンにもお勧めの1冊です。

さて、ではこの短編集は一体どういった経緯で生まれたのか、そのヒミツに迫ってみようと思います。




―初登場は16年も前!

最初のエピソードである「懺悔室」が公開されたのは何と16年も前のことです。

1997年、週刊少年ジャンプでは“リーダーズカップ”という企画が行われました。

当時の人気漫画家10人が読切を掲載するという、読者にとっては夢のような、漫画家にとっては悪夢かもしれない企画でした。

因みに「ドラゴンボール」で有名な鳥山明先生も参加していたそうです。


―制約には縛られないッ!

この“リーダーズカップ”には制約があって、自分が連載している漫画の外伝やスピンオフを描いてはいけないという条件がありました。

つまり、荒木先生であれば「ジョジョ」のキャラクターを使ってはいけないということになります。

しかし、出来上がった「懺悔室」には「ジョジョ」の岸辺露伴が登場しています。

おやおや、どういうことですか?


―動かないから大丈夫!

しかし、露伴はあくまでも物語のナビゲーター役として存在するだけで、物語に絡まないからということでこの読切は掲載されました。

「世にも奇妙な物語」でいうところのタモリのポジションですね。

一応、露伴抜きでも描いたそうですが狂言回し的なポジションがいないと面白くないとして、露伴は残されました。

「岸辺露伴は動かない」の“動かない”には露伴が物語に関わっていないことの示唆でもあったのです。




―まったりとシリーズ化

まさか、そこからシリーズ化していくとは当の作者本人も当時は思っていなかったことですが、シリーズ第2弾「六壁坂」が掲載されたのがその10年後の2008年というのもまた凄いですね。

露伴をシリーズとして幾つか描きたいとぼんやり思っていたところに短編の依頼が来たそうです。


―時を駆けるッ!露伴ッ!

ただ、シリーズ化したいと思ったはずなのに第3弾「富豪村」の掲載はそれから4年後の2012年ですから結構ゆったりしています。

その後第4弾「密漁海岸」が2013年に掲載され、ファッション誌とのコラボ作品「岸部露伴 グッチへ行く」を加え、ついに1冊の単行本になりました。めでたし、めでたし。

しかし、こんなに長い時を経た単行本はそうそうないでしょうね。当時を知らなくても何だか感慨深くなってしまいます。




のんびりしたスパンで描かれた短編集である為に絵柄の変遷も分かるところも面白いと思います。

何より凄いのは、それだけの間漫画家として第一線で活動し、なおかつ著者の写真がまったく老けていないことですね。

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